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「……僕のこと嫌いになった?」
すると先生はふっと微笑んで、その小さな体を引き寄せた。
クラスで一番背の低いアキラの体は簡単に持ち上げられた。
背が低いのは食べ物の好き嫌いをするからだと母親に言われていた。でも、アキラはいまいちその仕組みがわかっていなかった。

「嫌いになんかならないよ」
「ホントに?」


「ああ」


ひざの上に乗ると、先生の顔がすぐ近くにあった。

黒縁メガネの奥の優しい目とか、寝癖のついた髪とか、白衣のネームプレートに書かれてある難しくて読めない漢字を見ると、
いま先生が近くにいることを実感できた。


アキラはもぞもぞと足を動かして、胸元に顔をくっつけた。
「じゃあ……じゃあね、えっと……」
先生も察しがついたのか、アキラの腰に手を回す。
「'治療'してほしい?」
「っ!」

先生が股間に手を沿える。アキラのソコはふくらみ、熱を帯びていた。

先生から別な'治療'を施された夜から、先生に触れられるだけで体が熱くホテってしまうようになった。
治療に慣れてくると体がこういう状態になるんだと先生は言っていた。


黙っていると唇が近づいて、重なった。アキラも無意識のうちにキスを返してしまう。
「横になって。途中までなら……してあげるよ」

患者の治療を途中で放り出すなんて医者にあるまじき行為だ。
でもこの治療は「特別」だ。普通の治療とは違う。
アキラは寝転がってズボンを下げると、ひざを立てた。先生はゆっくり足を開き、そこに顔を持っていく。

「んっ……あぅ」

まだ愛撫されてもいないのに、足の間にある先生の顔を見ただけでアキラは小さく声を出した。
先生が顔を上げてアキラの頭を撫でた。
「続けても大丈夫かい?」

「ぅん……して……」

先生は口に性器を含み、ゆっくりそれを愛撫する。

キスをするように舐めあげて、アキラは大きな声を出さないよう我慢しながら唇をかみ締めた。


ほかの人には秘密だよと言い聞かされていたから。
もしほかの人に知られてしまったらこの治療は続けられないのだそうだ。

ホントは声も我慢したくない。なんで秘密にしなきゃいけないのか最初はよくわからなかったけれど、いまはその理由も知っていた。


「せん、せ……」
「気持ちいい?」

「うんっ……あっちも、さわ、って……」

性器の裏側を舐めながら舌を下ろしていくと、一本の毛も生えていないアキラのきれいなアナルが見える。
入り口がひくついて、先生を待っているのがわかった。

指先と舌で入り口をなぞられるとアキラは先生の髪の毛を握り締めた。
指が徐々に奥へと進んでいく。そしてある一定の箇所に行くとアキラの性器はピンと張り詰めた。

「っひあん……」

「アキラの中は、すごく締め付けてくるね……」
「んやあっ……そこ、っ!」

アキラはそんな自覚がなかったのに、ソコは先生の指を締め付けて離さない。
それは、回を重ねるごとに力強くなっていたけれど幼いアキラにはそんなこと理解できていなかった。

「やっ……ダメ、だよ……変に、なっちゃ……」

「アキラの弱いトコを治療するのが僕の仕事なんだよ……集中的に治療しないと」
奥で指を曲げるたびに声にならないうめき声をあげ、体が弓なりに沿った。
同じ箇所で指を曲げるとアキラが反応するので、そこをじっくり責めていく。

小さな体はガクガク震え、壊れてしまいそうだった。

「先生……出ちゃうよ……」
張り詰めた性器の先から蜜があふれ出していた。先生の目が鋭くなって、アキラの性器を見つめている。

アキラは身をよじらせた。


両手を広げると、先生が自分のほうに倒れてきてアキラはその背中を強く抱きしめた。



「アキラ」
「っはあん!」

耳元で名を呼ばれた直後、アキラは射精した。
下腹部に白い液体が飛び、小刻みに震えながら全部出し終えると体から力が抜けた。

先生はティッシュで体を拭く。慣れた手つきだ。
アキラがこの治療で初めて味わった「気持ちいい」という感覚は、日増しに強くなっていた。お風呂上りのように赤くなった体で先生にしがみついた。

「先生……」
「足りないのか?」
それ以上は口にせず、恥ずかしそうに白衣の裾を握っている。

「ほかの患者さんのところも診ないとだめだからね。残念だけどもう行かなきゃ」
「今日はもう帰るの?」
「夜勤のときにまた来るよ」

「ホント?ホントに来てくれる?」

アキラがせがむと先生はやれやれと言ってため息をついた。



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